今朝は昨日より寒くない、気がする。
気温は同じくらいだと思うけど。
なんなのだろうね。この違いは。
気分?
2分前の世界
昨日の通勤途中。
バス停まで歩いている間に、違和感を覚えた。
毎朝すれ違う人
ほぼ毎朝、同じ人とすれ違うのだが、昨日はいなかったのだ。
いや、特に知り合いでもないし、挨拶もしないし、こちらが勝手に認知しているだけの人であるが。
何日も同じルートを通っていたら、一人二人くらい誰でもいるだろう。
バスでも電車でも、いつも同じ席に座っている人とか、さあ。
毎日、目線に入れば、なんとなく親近感を覚えるものである。
そんな人がいない朝だとしたら、お休みかな、寝坊かな、とちょっと想像してみたりする。
と、思ってそのまま歩いていたら、次の曲がり角から、その人がいつものようにスマホの画面を見ながら出てきた。
もちろん挨拶なんかしない。すれ違うだけ。
よしよし今日もいたな、なんて満足しつつ歩き続ける。
ごみ捨てをする人
また通勤途中、逆に、いつもは見かけない人もいることに気がついた。
マンションから出てきて、ごみ捨てをする人だ。
ははあん、今日は資源ごみの日だ。
袋いっぱいに空き缶が入っているのが見えた。
缶ビールかな? よくそんなに飲んだねえ。
1週間分なのか、それ以上溜め込んでいたのかは不明だが、缶が一つ一つ潰されているのを見ると、ちゃんとしてるなあと感心した。
でも、いつもはごみ捨てをする人なんて見かけないけどなあ、疑問に思いつつ歩き続ける。
ワンちゃんと飼い主さん
またまた通勤途中、いつものワンちゃんとも出くわした。
杖をついた飼い主さんとともに。
と言うのもこのワンちゃん、いつもだったら、同じ建物の前で、大人しくお座りして飼い主さんを待っているのだ。
それはもう遠い目をして。
私がすれ違いざまに、手を振ったり、わざと近くを歩いてみても、全く見向きもしないのだ。
そんなワンちゃんが、ゆっくり歩くおじいさんと同じくらいゆっくりと、歩いていた。
首輪から伸びるヒモが、弛んだままの距離感を保ちながら。
私は、その光景を微笑ましくチラ見しながら通り過ぎていった。
ワンちゃんや、キミにそんな優しさがあったとは知らなんだ。
たまには私にも優しくしてね、届かぬ思いを抱きつつ歩き続ける。
バス停に到着
バス停に着いて、ようやく事の真相に気がついた。
到着する時刻が、いつもより2分早かったのだ。
それは家を出発した時刻も、2分早かったことを意味している。
だから、いつもと違うことが重なったのである。
すれ違うタイミングが違ったのも、普段見かけないごみ捨てする人も、飼い主さんといるワンちゃんも。
私が毎朝見ていた光景の、2分前の姿だったのだ。
つまり、昨日の朝の私は、2分前の世界にいた、ということだ。
なんとも不思議な体験をした。
私はこのことを忘れまいと、スマホにメモを残した。
そして、ブログのネタになったのだった。
朝の2分は、とても、長い
たった2分。されど2分。
朝、2分あれば、何ができるか。
サンドイッチを、もう2つ作れる。
温かいコーヒーの余韻を味わえる。
スマホゲームのログインボーナスをもらえる。
他にも。
だから私は、目覚まし時計を5時28分に設定しているのかもしれない。
今まであまり意識したことなかったけど、この2分は貴重だ。
起きやすいから、という理由だけではない。
私の人生の楽しみが、そこには詰まっているのである。
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